はじめに
心理療法のアプローチは幾つもありますが、認知行動療法(CBT)は、うつ病や不安障害に対してよく用いられます。研究も数多くされており、効果が立証されている(エビデンスベースド)療法です。書籍も多数出版されていますが、自力で取り組むのはやはり難しさがあり、心理士(カウンセラー)と一緒に取り組むことが推奨されます。
CBTの特徴としては、「認知」(ものの見方)と「行動」に注目して、それらを見直すことでネガティブな気分や症状を軽減していきます。CBTは服薬治療と併用して行われることがあり、第一選択の心理治療法でもあります。

うつ病へのCBT
否定的な考え方を見直す:
ある状況に直面した時に浮かんでくる「自動思考」に着目します。例えば「自分はまた失敗するにちがいない」という自動思考を、事実に基づいて、検証したり、別の見方を探ります。
行動の活性化を図る:
気分が落ち込むと活動が減り、さらに気分が下がるという悪循環に陥りやすくなります。まずは、出来そうな小さな行動を起こします。自分にとって可能な小さな行動をリストアップしておき、都度、行動してできた体験を積み上げていきます。「元気が出たらする行動」ではなく「やると少し元気が出る行動」に着目します。
不安障害へのCBT
不安を引き起こす考え方を見直す:
例えば「電車に乗ると、また息が苦しくなり心臓がドキドキして倒れてしまう」という自動思考を、現実的かどうかを検討します。以前にそのような体験をしたからと言って、再び起こるのかということに目を向けてみましょう。
段階的暴露療法(エクスポージャー):
不安を感じて避けている状況に少しずつ慣れていく練習をします。スモールステップで進められる安心できる計画を立て、不安を感じる状況に段階的に身を置きます。慣れていくことで自然に不安の程度が下がっていくメカニズムを体験します。不安に対して小さなチャレンジを重ねていく行動療法の技法です。
カウンセラーと取り組めます。
どちらも、自分の「考え(認知)・気分・行動」のつながりを整理して、カウンセラーとの協働作業で進めるのが望ましいでしょう。セッション外で簡単な宿題に取り組んでいただき、次回のセッションで一緒に振り返ります。内服治療のみで思うように回復を感じられていない場合は、カウンセラーと認知行動療法(CBT)に取り組むことを検討されてみてはいかがでしょうか。