はじめに

 この度はアーバン心の相談室にお越し頂きありがとうございました。当ルームにご興味をお持ち頂いた皆様の多くは、心の悩みや健康に目を向ける必要性を感じていらっしゃる方であるかと思います。もしも、ご事情があってカウンセリングや心理療法を受けられる場所を探しているのであれば、当相談室がお役に立てることがあるとは思います。

 ですが、初めて心の内を人に打ち明けるのであれば、不安を感じることは当然です。このコラムは皆様にカウンセリングのイメージを少しでもお持ち頂くためのものです。最初のステップを踏み出しやすくすることにつながれば幸いです。

カウンセリングでは何をするの?

来室の目的

 カウンセリングをご利用される方のご相談内容は実に様々です。たとえば、気持ちが鬱々として日常生活を快適に過ごせない方、大きな心の傷やトラウマを負っている方、あるいは就職や結婚、子育てなどの現実的な事柄を相談にいらっしゃる方も少なくありません。また、家族や恋人など自分以外の人物についてのご相談を希望される方もいます。

 より抽象的な悩みとして自身の性格について理解を深めることや、生き方について考える時間を求めている方がご利用されることもあります。

 内容こそ異なりますが、これらのお話は全て日常生活をのびのびと過ごせず、心に引っ掛かりを持った状態と言えます。どうも、気持ちがすっきりとしないので解消したい。これが皆様が来室される上での共通の目的かと思われます。

カウンセリングで用いられる方法

 カウンセリングとは皆様の悩みについて、カウンセラーと一緒に目を向ける時間です。悩みの種類によって、カウンセラーは臨床心理学の知見に基づいた心理療法を提供することになります。例えば無意識に働きかける精神分析や、考え方を扱う認知療法、現実的な行動変容を目指す行動療法などが挙げられます。まずは自分の心の悩みに適したアプローチはどのような方法であるのかをカウンセラーと一緒に考えていくことになるでしょう。

申込みからの一般的な流れ

 申込後のインテークを経て、カウンセラーとの間で合意があれば、継続的なお約束をしていくことになります。多くの場合、インテーク面接のみで問題が解決することはありません。悩みに関連した苦痛が大きいほど、お越し頂く期間が長くなることが一般的です。

 一緒に取り組めそうだと思うカウンセラーと出会えたら、継続相談の契約をしましょう。頻度、方針、料金などの案内があるはずです。また、口頭だけではなく書面で条件を確認しておくことで後のトラブルを防ぐこともできます。契約というと構えてしまう方もいらっしゃいますが、これから二人で行なっていくことをお互いに確認するために必要な過程です。

 なお、インテーク面接の結果、カウンセリング以外の方法が有効とカウンセラーが判断をすることもあります。その際には適切な機関をご案内することもございます。

頻度について

 毎週や隔週、月に1回などの間隔を決めて、「毎週火曜日15時」など固定することが多いです。これは、スケジュールを立てる上での利便性を考慮した側面もありますが、もう一つはカウンセリングの効果を十分にするためには日々の習慣とすることが大切だからです。安定かつ確実に続くことを保証したお約束でなければ、心に触れるということは難しいのです。

 なお、頻回である方が話は深まりやすく、進みも早くなることは間違いありません。また、カウンセリングの目的によっては、ある程度の頻度を確保しないと達成が難しいこともありますので、この点もカウンセラーとよく話し合えると良いでしょう。

カウンセリング料金の相場

 カウンセリングは決してリーズナブルなものではありません。地域によって異なりますが、都心では1回あたり10,000円前後が相場です。この料金を高いと思うか必要経費と考えるかは人それぞれですが、その後の人生の充実につながることを思い浮かべてみると対価として妥当かどうかが判断しやすくなるかもしれません。

 また、キャンセル料金の規定も多くの場合は取り決めがあるはずです。「○日前までに連絡があればキャンセル料金は掛からない」というのが一般的です。何日前までに連絡すれば良いかは必ず確認をしておきましょう。一週間前程度であれば一般的だと思います。

医療機関との併用について

 相談室を訪れる方の中には医療機関を並行して利用される方も少なくありません。医療機関での方針は必ずカウンセラーに伝えて下さい。時には医療機関とカウンセラーが連絡を取り合うことが必要になることもあります。利用をされている場合や転院した場合は、カウンセラーにも早めに伝えておくと良いでしょう。

時には心の痛みを伴うこともあります。

 癒しや温かさに包まれることが必要な時期もありますが、心に触れる時間には痛みを伴うことがあることも否定はできません。カウンセリングは心の手術と称されることがありますが、時には痛みを感じながら来室を続ける時期が訪れるかもしれません。ご自身の心とどのように向き合っていくかは人それぞれですが、癒しや暖かさだけを提供するのではなく、痛みを伴う時間も共に過ごしてくれるカウンセラーが本当に信頼できる専門家であると思います。

おわりに

 カウンセリングを受けることは自分の内面に敏感になる変化をもたらします。この体験はこれまで見落としていた様々な事柄に気付きやすくなり、人生を豊かにすることに繋がっていきます。

 最後に歌手の宇多田ヒカルさんが精神分析を受けていた時の体験を語られていることをご紹介しておきます。ご興味があれば検索をしてみてください。心が触れることで何がもたらされるのかのイメージを持ちやすくなるはずです。

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