はじめに

「からだの声を聞きなさい」リズ・ブルボー著を読んだのはもう何十年も前のことです。内容は殆ど覚えていませんが、“意識的であること”が心の調和を取り戻すのに大切な要素であるというような主旨だったと思います。

こころの反応は身体の反応

最近、日本でもソマティック・エクスペリエンス(以下SE)いう概念が随分と普及してきています。一言で表すと、心の状態は身体反応と連動しているということです。不快なトラウマ体験は身体にも記憶されるため、自律神経系に働きかける身体の感覚からのアプローチによってトラウマの解消を行う心理療法です。私自身はSEの実践者ではありませんが、理論を少し勉強し始めました。

ネガティブ感情 vs ポジティブ感情における身体反応

今回ここでお伝えしたい事は、トラウマの話ではありません。皆さんも経験があると思いますが、直感的にネガティブに感じた時の体の反応についてです。どのようなものでしょうか?胃が縮こまる、腹部の違和感、冷や汗、喉が渇く、頭痛がする、クラクラする、耳鳴り、体が不快な事象から回避的な姿勢、固まってしまう等があると思います。

逆に喜びや満足などのポジティブに感じている時の身体の反応は、どうでしょうか。事象に対して前のめりの姿勢であったり、身体が少しポンと跳ね上がる、声のトーンが上がる、胸が熱くなる等ネガティブな感情の時とは異なる反応が明らかだと思います。

身体反応を意識して自分のいまの状態に気づく

身体の反応から自身のその時の感情を突き止めることが可能です。身体の声を敏感に掴めると、事象に対して自分が今どのように反応しているのか?を認識しやすくなります。英語で“self awareness” という表現がありますが、自身の状態に気づくことは、その後の自身の思考や行動パターンにも影響を及ぼすので、自分を守る大事な術(スキル)だと思います。

参考

  • リズ・ブルボー(著), 浅岡 夢二(訳)(2013). 【増補改訂版】〈からだ〉の声を聞きなさい, ハート出版.

 

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