はじめに

夏休みは不登校の児童・生徒にとって登校の呪縛から解放される期間です。不登校の状態で悩まれている方も、しばしの気持ちの休息を得られているのではないでしょうか。二学期が始まる前に不登校について振り返る時間が取れると良いかもしれませんので、本記事では不登校の背景についてまとめてみました。

各ご家庭や保護者の対応

スクールカウンセラーとして不登校児童・生徒の保護者とお話をしていると、焦燥感や怒り、不安を顕著に感じることがあります。学級復帰に向けて専門家に相談をしたり、医療機関を受診をしたり、ご家庭での対応の仕方を変えたりと試行錯誤している保護者の方と出会うことも少なくありません。
一方、不登校状態のまま数ヶ月が経過すると、子どもを登校させることの難しさから、子どもだけが日中を自宅で過ごしているご家庭も多いのが実情です。子どもが登校しないことを受容すると言うよりは、復帰への模索が暗礁に乗り上げてしまっている状態です。別の選択肢を考えたりすることもなく、子どもが一日中ゲームや動画閲覧を自由にできて好きなように過ごさせているご家庭もあるようです。

不登校の3つの要因

不登校になる背景は、人によって異なりますが、主に3つの大きな要因があると考えられています。

人間関係によるもの

1つ目は「人間関係の悩み」です。クラスメートや部活でのトラブルや、いじめ、担任の先生との相性など、学校という集団の場でうまく人間関係に馴染めず、心が疲弊してしまうことがあります。

学習に関連したもの

2つ目は「学習への不安やプレッシャー」です。日本の教育制度では通常級と特別支援級がありますが、近年、報道されているように、通常級での授業についていくのが大変な子どもがクラスに何名かいます。学習面においての支援級は知能検査(IQ70未満)の数値や医師からの診断が前提で入級可能です。
支援級に入るほどのIQの数値ではない、所謂、「境界域」(IQ 70〜85)の領域の子どもたちは、通常級での一斉授業では、学習を積み上げるのが難しいのが現実です。努力、一生懸命さや頑張りではカバーできないため、学習の時間が苦痛になりがちです。周りが理解して色々出来るのに、自分だけよく分からない、出来ないという状況は誰でも不安になります。

家庭環境によるもの

3つ目は「家庭環境の影響」です。両親の不和や離婚、保護者からの過干渉・過保護、無関心など、家庭でのストレスが学校生活にも影響することは否定ができません。保護者からの過干渉・過保護の家庭の子どもは、不快、不条理、失敗への耐性が年齢相応に獲得できておらず低い場合が見受けられます。近年、一人っ子のご家庭も増えており、譲る、我慢する、やり過ごす、調和を図るなどの体験を得る機会が昔に比べて少なくなっています。そのため、一見すると些細なことと見える学校での出来事が、大人が思っている以上に大きなショックになるケースもあります。

発達障害との関連

さらに近年では、「発達障害」との関連性も注目されています。自閉症スペクトラム症(ASD)や注意欠如・多動症(ADHD)や学習障害(LD)など、発達特性を持つ子どもは、集団生活の規則や時間の枠組を守ったり、興味がなくてもやらなければならないことをしたり、先生や友だちとのコミュニケーションに苦手さを感じやすく、学校という環境で強いストレスを受けることがあります。周りから理解されず孤立してしまうケースも少なくありません。

おわりに

不登校は決して「怠け」や「甘え」からではなく、複雑な背景や当事者なりの理由があります。学校へ行くことを拒否するということは、当事者の精一杯のサインです。大切なのは、無理やり登校をさせることではなく、どうしたら登校できる環境づくりができるかを家庭・学校・カウンセラーや関係機関が一緒に考えていくことが大切です。

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