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はじめに
当相談室では、相談者の方のご相談を便宜上4つに分類しています。この記事では、そのうちの一つである「心の相談」について、どのようなご相談を当相談室でお引き受けしているのかについてまとめています。ご自身の悩みにカウンセリングが必要かどうかを考える上でご参考になれば幸いです。
心の不調の特徴
心とは目に見えないものですが、身体と同じように調子が出ないことや、疲弊したり、傷ついたりすることがあります。もし身体が重いなどの症状が続けば病院に行くかと思います。家具にぶつかって腫れてしまうことがあれば、これは大変だと思うはずです。心も同じです。いつも万全の状態を保てるわけではありません。身体の不調と異なる点は、自分で不調に気付くことが難しいことでしょうか。あるいは気付いても軽視したり、気合いや根性などの言葉で乗り越えようとする方が多いことかもしれません。
現代社会では、より身近に
心の不調は日常生活への少なくない影響を与えるものであり、ときには多大な損害を被ることも認識しておく必要があります。不調を長く放置したり気づかないフリをすることによって、社会生活を営めなくなってしまうことすらあるのです。
現代社会はストレス社会と言われており、例えば我々の日常である仕事環境ですら、8割以上の方がストレスを感じると答えている結果もあるのです(厚生労働省統計:外部サイト)。心の不調は誰の身にも起こりうる可能性があると考えておいた方が良いでしょう。
心理カウンセリングが検討される悩みとは
それでは、心の相談でお越し頂く方はどんなことでカウンセリングを受けようと考えるのでしょうか。当相談室でお受けできる相談内容と関連させて、簡単に説明をします。
気分に関すること
うつ病などの診断を受けているかに関わらず、気分の落ち込みについてのご相談は少なくありません。実際に休職をされている方では、日常生活が思うように過ごせないという現実的な負担も相談内容として扱っていくこともあります。
感情コントロールについて
気分と関連することして、自分の中に湧き上がる感情がコントロール出来ずに振り回されてしまうというご相談があります。寂しい、悲しい、怒りなどのネガティブな気持ちが突然押し寄せてくることは大きな負担となるはずです。
不安に関連したご相談
不安についてのご相談を頂くこともあります。特定の事象や場面に対する不安についてのご相談もあれば、将来のことが漠然と不安とか、なぜか今の環境では気持ちが落ち着かないなど原因がハッキリしないこともあります。自分がよく分からないという不安も、カウンセリングの対象になることがあります。全般性不安障害などの医学的診断をお持ちの方が、医療機関と併用する形で利用されることもあります。
喪失や離別の体験による空虚感
大切な人が亡くなられたり、慣れ親しんだ住居や職場から離れないといけない時に、人は自分が空っぽになり、内面に何も残っていないような空虚感を感じることがあります。抑うつ的な気分や不安が伴うことが常ですが、この空虚感は自身の存在価値を脅かすほど強いものであることもあります。喪失の体験があまりにも受け入れ難いものであれば、「死にたい」などの希死念慮を伴うこともあります。
心的外傷(トラウマ)に関連したご相談
心の傷というのは、人災や天災などによって理不尽に不当な扱いを受けた時に生じるものです。前者であればハラスメントや傷害、ドメスティックバイオレンス(DV)などの暴力行為が含まれますし、後者では大地震や天候事情によって甚大な被害を受けたることが考えられます。これらは、心的外傷とかトラウマなどと言われ、医学的にはPTSDと診断されることもあるものです。また、継続的に心の傷を受け続けることで、より根深い傷が残ることになり(複雑性PTSD)、その治癒に要する時間も多大なものになります。
心の不調には休息が必要
多くの場合、心の不調には休息が必要となります。それは、安心できる時間を持つこと、ゆっくりと過ごせる時間を作ること、自分の気持ちを整理する時間を確保することなどが挙げられます。早急にこの不快感から抜け出したいという気持ちは当然のものですが、元気な時よりもペースを落とすように意識をすることが大事でしょう。
カウンセリングを検討するタイミング
心の不調が長く続いたり、慢性的なものとなっている場合は、自分だけでは抜け出せない状況に陥っていることが少なくありません。休息をしてみたけれども変わらなかった、かえって辛くなった、そもそも休息が出来ないということがあれば、カウンセラーと話をしてみることを考えるタイミングだと思います。